おはようございます。さやかです。飲み会から帰ってきて,酔いが醒めてきた頭で書いていきます。21日のうちにアップする予定だったのに。ツイッターで体調不良をアピールしてしまったためにご心配いただいたみなさま,ごめんなさいありがとうございました。
さて,若者の活字離れが進んでいるなどと嘆かれて久しいですが,本や新聞が売れなくなっているだけで電子書籍やブログ,SNS等ネット上の文章を含めれば日々文字情報に触れる量自体は多くなっているんじゃないのかなあと思う今日この頃です。私は中身が古い人間なので相変わらず本は電子書籍より紙派ですが,AmazonでKindle版のセールがあればそこで買うこともあります。私はこんな風に,ある程度の好みはありつつもわりと柔軟にそのとき一番良いものを選択して生きているつもりですが,どうしようもなくこだわりが強いものがありました。それは言葉に関することです。
- こだわりすぎると生きにくい
- 百言は一行に如かず
- それでも私は彼の言葉に恋をする
- 人は言葉で自分を作っている
こだわりすぎると生きにくい
私は言葉そのものが好きだし,このブログで書いてきているように言葉をつかって答えがあったりなかったりする何かを考えるのが好きです。それから,言葉を通して人を見るのが大好き。だから「こんばんわ」とか「〜ってゆう話なんだけど」など口語と文語の区別をつけられない人とか,「どぉかな?」という一昔前のギャルみたいな言葉をつかう人は,どんなに立派な内容の話をしている人でも私は敬えません。まず見ていられません。ツイッターなら一発でミュートします。
どんなにタメになりそうなことを発信してる人でも「今日は」が「今日わ」になってたり「思うよ」が「思うょ」になってたりするだけで耳を傾ける気が失せてしまう。ほんと残念だよね。その人じゃなくて,そういう細かいところが気になってしまうばかりに視野を広げるチャンスを自ら潰していく自分が。
— さやか (@oyasumitte) 2019年1月14日
完全なる偏見だけど、個人的には改行と句読点が無駄に多い人は頭が悪そうに見えるし、改行と句読点の位置がおかしい人は関わってはいけない人に見える
— さやか (@oyasumitte) 2018年12月18日
一般人ならまだしも,アナウンサーとか企業の公式アカウントの中の人とかが「オフィシャルサイトとInstagramが開設しました!」とか平気で言ってるのを見ると猛烈にしんどくなってしまう。「〜を開設しました!」か「〜が開設されました!」じゃないと気持ち悪くない?そうでもない?
— さやか (@oyasumitte) 2019年2月25日
我ながら細かいな。でも口語ならともかく,文語は仮名遣いや句読点を入れるタイミング,助詞の使い方などに違和感を覚えてしまうと一気に読みにくくなりませんか?
- 「助詞の使い方、などに、違和感を覚えてしまうと、一気に、読みにくくなりませんか?」
- 「助詞の使い方などに違和感を覚えてしまうと、一気に読みにくくなりませんか?」
- 「助詞の使い方などに違和感を覚えてしまうと一気に読みにくくなりませんか?」
私は1の文章は1秒で読むのをやめてしまいます。文語のリズム感が自分と大きく異なる文章は,読むのに無駄なエネルギーを使う気がして苦手なのです。これは改行の多さを嫌うのと重なる部分もある気がする。
関連記事:なぜあの人は過剰に改行するのか。私はなぜそれを嫌うのか - どんな言葉で君を愛せば、
百言は一行に如かず
一般的には人の本性・本意を見たかったら言葉を無視して行動を見ろと言われますよね。たとえば彼氏が浮気を繰り返し,それを咎めるたびに「悪かった。俺にはお前しかいない。もうしないから」と言われたとして,行動を見れば反省もせずに裏切っているのは明らかなのに,言葉に縋ってしまうと関係を切れなくなってしまいます。「妻とは別れる」と口では言う既婚者も言葉を無視して行動だけ見ればあなたよりも妻を選んでいるから離婚をしていないわけで,やっぱりその人の行動から目を逸して言葉だけを信じようとすると碌なことになりません。私だって,好きだとか愛してるだとか,君と付き合う人は幸せだろうねとか君みたいな子と結婚したいなんて言葉よりも,ニコライバーグマンのフラワーボックスとかメイソンピアソンのヘアブラシとか婚約指輪とか記入済みの婚姻届の方が欲しい。
有名な言葉に,百聞は一見に如かずで始まるこんなものがあります。
百聞不如一見
百見不如一考
百考不如一行
百行不如一効
百効不如一幸
百幸不如一皇
同じ雰囲気の造語になりますが,私の価値観は「百言不如一行(百言は一行に如かず)」です。たとえばたくさんの言葉で愛を告げられるよりも,行動で示されたいのです。口数は少なくていいし好意や愛情を言葉で伝えるのが上手な人じゃなくていい。ただ会いに来てくれたり贈り物をしてくれたり,行動で示してほしい。プレゼントとかお金を使ってもらうことが全てではないけれど,愛情を示す一つの指標ではありますよね。
最近だと,父親のマンションに泊まったとき,食器棚に並ぶ高級なグラスの中に,私が以前手土産として父親に買って行ったモロゾフのプリンの器が何食わぬ顔で存在していて,そのことから父の愛を感じました。父はシャイな純ジャパだし,私に対して言葉で「大切に思っている」なんて言ったことはほぼないのですが,大した金額でもないのに私が買ったものだからと大事に残してくれている,そのことだけで言葉は無くとも私は大変幸せな気分になれたのです。
それでも私は彼の言葉に恋をする
でもやっぱり,ブログに「どんな言葉で君を愛せば、」というタイトルをつけてしまうくらいには私は言葉が好きで。
好きな人が何気なく言った「仕方ないね、神の設計ミスだから」という言葉を思い出すと大抵の腹立たしさは飲み込めるので感謝している。
— さやか (@oyasumitte) 2019年2月6日
満員電車が駅に着いてドアが開いても乗降口のド真ん中から動かず,周囲に押されても舌打ちされても全く気にかけない人の神経,まるで理解できないのだけれど これも神の設計ミスかな?そっかそっか,神様のミスか〜!それは仕方ないね…💫
— さやか (@oyasumitte) 2019年2月13日
以前好きだった人は,口数こそ多くないものの,ふとした瞬間に出てくるワードセンスが抜群な人でした。ストレスを感じるけれど,だからと言って何か対策ができるわけでもない,どうしようもないことに対して「神の設計ミス」という表現が咄嗟に出てくる感覚が素敵だと感動してしまい,すっかり恋に落ちました。行動で愛情を示されたいと言いながらも結局口が上手い男性に惹かれがちなところは何とかしなければならないと思っています。遊び人の言葉遣いは本当に巧みだし,私は言葉遣いが巧みな人が好き。どうしよう。
さてそんな経験もあり,私にとって誰かの人格とか人間性って,つまりその人が話す言葉それ自体なんじゃないかと思っていたわけです。
人は言葉で自分を作っている
私が最近読んだ本に『人は誰もが多重人格』『あなたはあなたが使っている言葉でできている』という2冊があります。
人は、誰もが「多重人格」 誰も語らなかった「才能開花の技法」 (光文社新書)
- 作者: 田坂広志
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/05/19
- メディア: 新書
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あなたはあなたが使っている言葉でできている Unfu*k Yourself
- 作者: ゲイリー・ジョン・ビショップ
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2018/10/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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どちらもタイトルに惹かれて読んだのですが,2冊とも私が好きなタイプの本(逐一エビデンスが示される学術書的書籍)ではありませんでした。まず前者は対談形式で,質問者の理解度が低くて話がトントン拍子に進まないのと,抽象的な話を具体化するのに文字数を割きすぎていて,私の読書のリズムに合わなかったのです。
『あなたはあなたが使っている言葉でできている Unfu*k Yourself』の方も,外国人著者だったので勝手に私の好みに合うのではないかと思ったけれど,読んでみると全く違い,自己啓発色が全開の本でした。こちらも論拠が曖昧で情報量は少なく,言葉が強いだけという印象を受けました。とにかく誰もにわかりやすく書くということを重視すると,こうなってしまうのだなあと。ただ「勝ちグセ」の話は面白かったです。
さて,それらの本でも述べられている通り,私達は自らの言葉で自分自身を規定して,それにハマるように自分の行動を選択していくことになります。就活でマストと言われる自己分析や適職診断では,まず質問に答える時点で「自分の思う自分像」に寄せて回答していくのです。そして「自分の思う自分像」通りの結果が出て安心し,自分の人格イメージを強固なものにします。そしてその結果に基づいてある程度業界や会社を絞り,就活を進めることになるわけですが,その「自分像」や「人格イメージ」は多くの人が相手によって使い分けているものであって,その人のすべてではないということに注意する必要があります。
たとえば私が最近「私自身のイメージや印象として言われた言葉」には,女神っぽい,裏表がない,少女漫画に出てきそうで現実にはあまりいないタイプ,育ちが良さそう,愛されて育ってきた感じがする,クズ,腹黒い,しっかり者,隙が多い,優しい,柔軟,頑固,感情がわかりやすい,感情がわかりにくい,などがあります。裏表がないよねと言われた私も,腹黒いと言われた私も,感情がわかりやすいと言われた私も気難しいと言われた私も,すべて同じ私です。柔軟と頑固も真逆ですよね。これは,相手やシチュエーションによって,同一人物の話しぶりやその内容が大きく変わることの例です。人がそうして顔を使い分けることを「多重人格」と評したのが書籍『人は誰もが多重人格』でした。
紹介した2冊はどちらも私の好みのリズムで読める本ではありませんでしたが,内容はわりと筋が通っていると思うし,情報量が多くない分わかりやすかったので自己啓発本が好きな人にはハマるんじゃないかしら。
私は図書館で読んだので帯がなかったけれど,今見たら『多重人格』の帯には「隠れた才能が現れる」,『Unfu*k Yourself』の帯には「人生はうまくいく!」とありますね。完全に自己啓発本でした。サクッと読めて良かったです。よかったらぜひ。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。さやかでした!