どんな言葉で君を愛せば|@oyasumitte

ハッピー賢者モードと人生イヤイヤ期を行ったり来たり

子どもを公立中学に通わせたいなんて正気の沙汰ではない

最近、中学受験の話題がツイッターのタイムラインによく流れてくる。自分の子どもに中学受験をさせた親、させようと思っている親目線の言葉たちだ。

私は中学受験についてほとんど何も知らない。小学生の頃「中学受験する?」と親に尋ねられたことはあったが、私は友達と離れたくないという理由だけで地元の公立の中学に進んだし、それが大多数だった。1学年200人弱いた小学校の同級生で、私立受験をして出て行く生徒はたぶん10人もいなかったはずだ。わたしの生きていた世界では、中学受験が当たり前ではなかった。今思えば電車で20分くらいの距離に、受験できる中学はいくつもあったのに。

 

そんな風に自分で選んだ地元の公立中学は、当時ひどく荒れていた。それは前評判でわかっていて、だからこそ親には受験(と学区外への引越し)を提案されていたのだと今になれば思う。当時はよくわからなかったような気がする。

荒れていたという表現に何を見るかは想像にお任せするけれど、心を病んで休職されたり、復帰した矢先にも容赦なく心ない言葉を向けられて二度と来なくなったりした先生は複数いた。

 

私には、洋楽のある1曲を聞くたびに思い出す先生が1人いる。その歌を英語の授業で紹介してくれた若い女の先生。当時まだ2年目で、今の私と同い年だったはずだ。年齢的にも性別的にも、どうしても生徒になめられやすかった。なめられていたというか、あれはもう教員いじめだったかもしれない。先生は時々泣いたし、私も好きな先生が泣いているのがつらかった。

 

近年教員の質が低下しているなどと言われて久しいけれど、私は自ら望んで教採を受けて公立中学の教員になろうとする人のことを本当に心から尊敬する。どんな中学校でどんな3年間を過ごしたのか、一人一人に聞いてまわりたい気持ちになる。私はずっと学校の先生になりたかったけれど、中学校だけは絶対に無理だと自分が中学生の時に思ってしまった。

世間を騒がせる不祥事を起こしたり、私が大嫌いだった部活の顧問みたいに教員以前に社会人として問題があったりする、稀な例外は確かにいる。それでも公立中学の教員をしている人を無条件に特別敬いたいと思うのは、中学生のときにでひとりの人間として扱われない教員の姿を見たからだと思う。

 

中学生時代に特にまぶしい記憶はないけれど、思い出したくもないほど暗い3年間でもなかった。いじめにあうことが無かったのは運が良かったとしか言いようがない。

生来八方美人なのでツイッターでは評判が悪い内申点制度で満点をとるのは簡単だったし、学級委員や部長になって教員とやんちゃな同級生の橋渡し(板挟み)的な役割を果たすことに酔ってもいた。

とにかく、私は運が良かったのだ。中3のときには地区一番の県立高校に受かったし、さらに3年後には国立大学に受かった。県立高校至上主義、国立大学至上主義。非東京ど真ん中の思想に見事に染まった安上がりな娘だけれど、中学卒業後の7年間は楽しかったから全く後悔はしていない。

私立より安上がりとは言えども、小2から大学受験まではずっと進研ゼミを続けさせてもらっていたし、奨学金を背負わなくて良かったのも親が当然のように払ってくれたからだし、親に頭が上がらないことに変わりはない。

 

さて話を中学受験まで戻すと、書いてきたように私は自分の学生時代にはそれなりに満足していて、私立を受験すればよかったなどと今さら後悔することはない。ただ、大人になってからも会うのが小中同じ子じゃなく受験して外に出た小学校の同級生だけなのは皮肉なものだなあと思う。中学高校が一緒だった子とは未だに会うけれど、中学まで同じだった友達と個人的に会うことはたぶんもうない。

 

それから、高校に入学したあとの「部活の先輩って、急にバット投げてきたり○ねって言ってきたりしないの!?1年が部室に入っても怒らないの!?」「休み時間に勉強しても真面目って笑われないんだ!?」という喜びも忘れない。こんな低レベルな感動は、中学校がまともでさえあれば覚えずに済んだものだ。

 

以上を踏まえて、自分が子どもを育てることがあれば中学受験をさせたいし、何らかの事情でそれができないのであれば、できるだけ公立中学の評判が良いところに引っ越す選択は子どもの意志に反してもやる価値があることなのではないかなと思っている。

 

たまに見かけるこうした意見に一理もないとは言わないけれど、避けられたはずの危険や無駄にストレスフルな環境に子どもをさらすリスクを取ってまで見せる価値のある多様性がそこにあるとは思わないです。私は。

 

……生まれてもいない子どもの心配をする前に、まずお前は結婚をしろという話ですね。わかってるわかってる。わかっています。

 

あ〜〜早くエリサラと結婚して出産して子どもの教育について悩みた〜い!