どんな言葉で君を愛せば|@oyasumitte

ハッピー賢者モードと人生イヤイヤ期を行ったり来たり

有田・波佐見でひとり旅をしてきた件。

人に何かをおすすめするのはとても難しい。単に自分が気に入った物や場所を言っておけばいいというものではないからだ。

 

ツイッターで「○○ってお店の△△が美味しかった」と周知するだけならいざ知らず、たとえば誰かに直接「おすすめの本は?」と聞かれたら私は、自分が知っている情報の中からその人の趣味趣向に沿って検討しようとするし、そうでなければならないと思っています。逆に「最近読んで良かった本は?」と聞いてもらえるときはシンプルに好きだったものを答えればいいので楽。

最近その「おすすめ」問題に関して、相手に申し訳ないことをしたと思った事がありました。初対面の男の人におすすめの本を聞かれて、あまりお互いのことを知らなかったし話の流れで聞いてくれただけだと思って、出来心でその週読んでいた本を適当に答えてしまったのです。翌々日「昨日早速買って読みました!」と言われたときに自分の不誠実を悔やみ、その本が好みだったらしいのを受けて、それなりに考えた上で次のおすすめをさせてもらいました。

余談が長くなりましたが、そんな私が「おすすめを聞かれて答えるのが難しいものランキング」で3本の指には入るだろうと思うのが旅先です。それを踏まえて、ここからが本題。

 

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長崎県東彼杵郡波佐見町

に行ってきました、という話をします。完全なる個人の旅行記です。

東彼杵はひがしそのぎと読みますが、さて、波佐見と聞いてピンとくる方はどれくらいいたでしょう。波佐見といえば波佐見焼、焼物の町。地理的には、焼物界で格段の知名度を誇る有田焼の産地・有田(佐賀県)の隣にあります。私は今回、波佐見焼の産地として波佐見町に惹かれ、一人で旅行に行ってきました。

私が焼物に興味を持ったのは至極最近のことで、初心者中の初心者だった為に波佐見焼の歴史はもちろん陶磁器全体に関しても学ぶことだらけで、それはもう楽しい1泊2日の旅でした。が、最初に述べたようにそのことを理由として万人に波佐見町をすすめられるかという問題になると難しいところです。その理由は1つ。公共交通機関という概念がほぼ存在しないこと。

自家用車またはレンタカー(あるいはタクシーを乗りまわせる財力)が無いと身動きが取れないのは、波佐見に限らず地方の観光地ではあるあるです。田舎では車こそパワーなのです。車を持たない人間は無力。風の前の塵に同じ。

 

有田ポーセリンパーク

今回は波佐見焼の生産地・波佐見町に行くという目的があっての旅行でしたが、ついでといいますか、せっかくなので隣町の有田にも行ってきました。あまり時間もない中で、観光ガイドにとりあえず行っておけと書いてあった有田ポーセリンパークへ。

博多からJRの特急に乗って有田駅で降りると、駅前には何もありません。これは想定の範囲内です。1日に何本かはあると前情報を仕入れていたバスの時間もタイミングが悪く、駅前にいたタクシーで向かいました。駅から1,500円ほど。

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佐賀県にある酒造・有田焼のテーマパーク 有田ポーセリンパーク

見所になっているツヴィンガー宮殿ですが、率直に言うとこれのためだけにわざわざ有田から山を登ってくるのはちょっともったいないかなという感想でした。綺麗は綺麗でしたけれど。

また私はニワカ日本酒好きなので、隣接する宗政酒造さんの酒蔵も見学してきました。
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酒造とは別にあるパーク内の直売所で試飲をさせてもらえるのですが、ここにいるおじさんは気前が良すぎるので訪れる際には注意してください。私は清酒宗政の蔵出し原酒、初しぼり特別純米原酒、特別純米酒ruri munemasa、純米吟醸、梅酒眠り姫、本格焼酎のんのこ芋、とかもう本当に片っ端から試飲させていただいて。年末の帰省の手土産用に初しぼりなどいくつか購入してから、山を下りました。
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歩いて山を下りました。何もない、舗装も怪しい道を。
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歩いて、山を、下りました。川が綺麗でした。
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予約していたホテルの送迎車が下りた先の有田・波佐見ICまで来てくれることになっていたので、ポーセリンパークからそこまで20分程度歩いたのですけれど、ずっと何もない道を来て、インターに近づいたときに突然目の前に現れたのがこちら。

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波佐見焼ブランドを牽引する「有限会社マルヒロ」さんの直営店でした。

有限会社マルヒロ | 波佐見焼の陶磁器ブランド

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床が陶器でつくられていて、最初に足をのせるときはヒヤヒヤすると思います。

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クリスマスシーズン限定のこちらのシリーズ一式やら丼やらを購入して、いざホテルへ。
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ブリスヴィラ波佐見

私が泊まったのは、田畑が広がる風景の中、突如現れるホテル「ブリスヴィラ波佐見」。波佐見町内ならどこでも無料で送迎してくれる、車を持たない無力な旅行者こと私には有難すぎる宿でした。

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わりと新しいので雰囲気も良いです。
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お風呂と食事はホテル内の施設も利用できますが、私はおすすめされたので隣接する温泉施設とレストランを満喫しました。ちなみに入浴料は、ホテルでチェックインするときに受け取れるカードを見せると無料になります。
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食べかけの写真で申し訳ないのですが、石窯焼きピザと地元で採れた野菜のサラダ、波佐見焼で飲む白ワインが最高に美味しかったです。
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このあとはやたらと照明の設定を細かく変えられるホテルの自室に戻って、贅沢にダブルベッドでゆっくり寝て、翌朝はホテルのレストランで優雅に朝食を食べました。そういえばきちんと書いていませんでしたが、羽田を発ってから波佐見で朝を迎えるまで、私はずっと一人です。一人で空を飛び、山を歩き、酒を飲みました。

実はこの翌日に波佐見焼の窯元で製作体験をしたのが旅のメインイベントだったのですが、その様子は諸事情で当分載せられないため今回は割愛します。

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そういえば波佐見で私が特に気に入ったものの一つは、空の色でした。上の写真はレストランから見えた朝焼けの様子ですが、夕焼けのオレンジ・薄いピンク・ラベンダーの淡いグラデーションはこれ以上に美しくて、息を呑んで見上げたのを覚えています。見惚れていたらみるみる暗くなってしまって、写真は撮れなかったのが心残りです。

また私は今回時間の都合上ほとんど諦めましたが、波佐見町はそれなりに観光産業の街としてさまざまな施設・仕掛けが用意されているようでした。特に「西の原」の辺りにはかわいいショップやカフェがコンパクトに集まっていて、女子旅の目的地としては最適かと!

 

交通が不便な土地だったり、誰もが興味を掻き立てられる絶景のようなコンテンツが存在しなかったりすると、自分が気に入った旅先であっても人にすすめるのは難しいと感じます。でもここでなら自分の見聞きしたことを感じたままにつらつらと書いても許されるかな、というくらいのゆるさで、来年もこのブログを続けていけたらなと思っています。

昨年末に突然ブログを開設して1年、想像以上に多くの方に読んでいただき、感謝の言葉しかありません。次の回で改めて2019年の振り返りと2020年の目標設定をします。どうぞ良いお年をお迎えください。さやかでした!