どんな言葉で君を愛せば|@oyasumitte

ハッピー賢者モードと人生イヤイヤ期を行ったり来たり

「愛っていうのは言葉でも気持ちでもなく、行動のことだと思う」

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7月23日、Zepp ShinjukuでMOROHAのワンマン MOROHA V RELEASE LIVEを見た。

お湯落ちマスカラが全て落ちてすっぴん同然になるまで泣いた。彼らのライブを生で見るのは二度目。一度目も泣いていたから、二分の二、泣いたことになる。二度あることは三度あると言うし、多分私は次も泣くだろう。人に会えない顔になって、眼鏡とマスクをつけて帰る。誰かを誘って行けるのは当分先になりそう。

 

長崎でMOROHAを見た日

MOROHAを最初に聞いたのは、一年前、私の好きなバンドが主催するフェス(BLAZE UP NAGASAKI)に彼らの出演が決まったときだった。公式の予習プレイリストに、彼らの代表曲「革命」が入っていて、これは私向きの音楽じゃないと大して聞きもせず飛ばしたことを覚えている。ポエトリーリーディングもラップも、今まで自分が好んで聞いてきた音楽とあまりにも違って、どう楽しめばいいのかよくわからなかったのだ。声も苦手だったかもしれない。

とにかく私はMOROHAにスッとはまれないまま、長崎で初めてそのライブを見ることになった。

 

ステージに男性が二人。前に出ていたバンドより随分聴衆が少ないことを自虐的に、ふざけている風ではなく笑って、それが音楽になっていた。音楽に聞こえた。それはアドリブ混じりの「チャンプロード」という曲だったから、当然音楽なのだけれど、私の中では音源を聞いたときに音楽として飲み込めなかったものだった。

ギターは素人目にもわかるほど上手くて、坊主の人は怖いくらい汗をかいていて妙に切実で。一言で言うなら、怖かった。怖くてかっこよくて、リハーサルが終わる頃には、同様に惹きつけられたらしい多くの人がステージ前に戻ってきていた。

リハーサルと本番の境は、言われてみればあそこだったかと思うほどに曖昧で、そんな本番の一曲目があの「革命」だった。

私は気づいたら泣いていた。怖い。最初に聞いたとき受け付けなかった音楽を生で聞いたら感動で涙が止まらなくなったことがある人はわかると思うが、これはとんでもなく怖いことだ。自分が何をされたのかわからない。無理がどうして感涙になる?

女の子が怯えているのでラブソングをやります、という前フリで始まった「花向」という曲も別の意味で怖かった。さっきまでいかに自分がヤバいのかを熱く叫んでいた人が、本当は 帰らないでほしかったんじゃなくて 君の 帰る場所になりたかった などとロマンチックに歌うのだ。情緒不安定にもなる。

こちらは不倫なんてしていないのに、もしかしたらしたことがあったんじゃないかと思ってしまうくらい、どうしてか泣いてしまう。私の両隣も泣いていた。優しいその歌が終わったときにステージ上から放たれた台詞は、今泣いている人たちは多分不倫してます、だった。泣きながら笑った。情緒不安定にもなる!

 

愛の話

私は好きなバンドを見に行った11月の長崎で、好きなバンドに呼ばれていたMOROHAに情緒をめちゃくちゃにされ、そして7月に東京でMOROHAのリリース記念ワンマンを見るに至った。

その日、7月23日に発表されたリリースツアー追加公演の中には、長崎公演があった。

「長崎にはもう来られないと思ってた。(略)だけど、SHANKに襟首を掴まれた。長崎忘れてないか?って。まんまと思い出してしまった。Studio Do!に帰りたくなってしまった。来年、必ずツアーで来ようと思います。愛っていうのは言葉でも気持ちでもなく、行動のことだと思う。SHANKの愛に応えたいと思ってます」

身じろぎすら許さない静寂が最大の賛辞。愛とは何かを自分に問い続ける痛切なライヴ | BLAZEUPNAGASAKI

そう宣言されるのを、あの日長崎で確かに聞いた。

「愛っていうのは言葉でも気持ちでもなく、行動のことだと思う」。一年前に長崎でそう言っていて、今年の冬には本当にツアーで長崎に行く坊主の人の名前はMCアフロで、横でギターを弾いている人はUKというらしいです。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございます。「tomorrow」が一番好きなささやかでした