どんな言葉で君を愛せば、

22歳新卒、OL人生のスタート

重すぎるその思いを 持て余して彼を見送る

ただいま東京

と言えるほど私はまだ東京の人間にはなれていなくて、わたしにとって帰る場所は実家なのだなあと思う週末になった。父とドライブして母とお茶して弟と映画を見て妹と買い物をした2日間は、私が学生から社会人になったことなんて何も関係なく相変わらず穏やかにあっという間に過ぎていって、さながらジェットコースターの様相を呈していた情緒は見る影もなく落ち着いた。美味しいものを気のおけない人と楽しく食べて時間を気にせず8時間眠ると、気分は安定するらしい。

これを毎日揃えられたら私はいつでもハッピーで賢者な女の子でいられるわけだ。深夜に好きな人から連絡が来ないことに悶えたり、悶えて考えて我慢できなくなってLINEを送ったり、なかなか既読がつかないことに気を揉んだり、思わせぶりなことを言われたまま連絡が途絶えて泣くしかなかったりする日々に別れを告げられる。

さて、美味しいものについては普段から食べている。自分で言うのは結構アレだが、私は一人暮らし歴も5年目に突入したので普通に料理ができる。朝も昼も夜もなかなかに美味しいごはんを食べられているので、美味しいものという条件は余裕でクリア。次に8時間睡眠。これもホワイト企業で働いていることと長距離通勤ではないことが功を奏して、スマホを見る時間さえ減らせば難しいことではない。クリアできそう。

問題は「気のおけない人と楽しく」これだ。何せ私は孤独な一人暮らしをしているのである。どうしても気分が落ちてしまう時期、誰かとどんなに楽しくお酒を飲んでも家に帰れば一人だ。家で美味しいごはんを作ったところで、可愛い部屋着を買っておいたところで、どうしようもなく一人なのである。

一人の時間が嫌いではないはずなのに

先ほども書いたように私は一人暮らし5年目で、しかも無趣味な人間というわけではない。一人で外食にも行けるし映画も見られるし美術館にも行ける。国内で1週間の一人旅を楽しむくらいには、おひとりさま力がある。思い返せば一人で本を読む時間や勉強する時間欲しさに、友人からの休日の誘いを断ったこともあった。

それなのに最近の私は趣味の読書もせず近々受ける試験の勉強もせず、気分転換に乗る自転車も雨で出番がなく、とにかく好きな人のことばかり考えて毎日を過ごしていた。最近というのは好きな人に「可愛くして待ってて」と言われてからこちらのことである。

以前ブログに書いたこともあるが、私は実家の犬のような女なので、待っててと言われたら待ってしまう。「忙しいからまた今度」が遠回しのさよならだというクソリプは申し訳ないが要らない。そんな本音と建前の構造は、それを自分自身が男の人に対して使っている私が一番よく分かっているので、もう二度と誘われることなんてないのだと覚悟していた。このツイートのように。

それでも重ねて「君に会えるのを楽しみにしてる」と言われて、「君のことを可愛らしいなと思ってるし そうじゃなかったらこんな風に電話したりしない」と言われて、どうしたら この人は本当に忙しいだけなのかもしれない と期待せずにいられるだろう。好きな人が、このツイートのような考え方をする人なのではないかと。

本当は、本当はわかっている。ダメなのは言葉の裏を読もうとしてしまう私の弱さであり、以前相手に時間が出来たときに「今からどうですか」と誘われて会えた日のことを忘れられずに出来るだけ予定を入れずに待ってしまう私の愚かさであると。

最近の私にとっての一人の時間は、一人で自由に使える時間ではなく「独りになってしまう時間」でしかなかった。好きな人にいつでも会えるようにしておきながらその機会には恵まれない状態は、精神衛生上とてもよろしくない。一人を楽しめない独りの時間は永遠にも思えてそれは絶望に繋がり、相手不在の一人相撲を散々に繰り広げてしまった。期間にすればたった3週間ほどだ。「忙しいから仕事が落ち着いたら」と言われて素直に待っていたとすれば長すぎる日数ではない。

でも私はひとりで、待ち過ぎていたのだ。「時間が出来たら平日に誘ってもいい?」と言われたことと、当日に誘われて会った過去から推測して勝手に期待して、おそらく相手が私のことなど思い出してもいなかった日々に彼からの連絡を待っていた。毎日勝手に待って、毎日勝手に絶望していた。今こうして書き出してみると本当にバカなのだけれど、毎日落胆するのは結構つらいもので、結果として私は爆発的に自滅してしまったのである。乾いた笑いしか出ない

好きな人に「好き」と言いたい人生だった

好きな人が忙しいと、自分は暇になって合わせようとしてしまう。それが良くなかったのだ。それこそが私が軽やかな癒し系の女になれない理由だった。恋焦がれる相手が忙しいときほど自分も忙しくあるべきで、相手のことを好きであればあるほどそうでないように日々を過ごすべきだった。好きな人を特別に恋しく思ってしまうときほど、他の男の人と遊んだり自分の仕事や趣味にふけったりして、時間も気持ちも分散するべきだった。恋愛某学のような結論に落とし込んでしまうのは我ながらとても口惜しいけれど、つまるところ結局そういうことなのだと思う。

最早手遅れな気もするけれど、来週には試験を控えているし今回の帰省で親に大量に買ってもらった本もあるし、好きな人がいない世界で活字の世界に溺れて、好きな人の重荷にならないような自分になって待っていたいと思う。もう少しだけ待ってみたい。告白したりされたりせずに曖昧に恋を終えられるほどまだ大人にはなれないから、ちゃんと振られるまでは馬鹿みたいに好きでいてもいいですか

 

毎日同じ葛藤を 私は繰り返している
愚かなこととわかっていても
これ以上の恋なんてない

重すぎるその想いを 持て余して彼を見送る
せめて20歩くらい 後を追って あきらめよう

___ 乃木坂46 / 別れ際、もっと好きになる

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