こんばんは,さやかです。
これは2019/03/09 19:00にスクリーンショットした,当ブログのアクセスログです。最近は先日のスマニュー砲によってアクセス数グラフのメモリがおかしいことになっていたので,更新した日でもグラフだとほぼ0状態になっていて悲しい日々だったのですが,前回のエントリー(なぜあの人は過剰に改行するのか。私はなぜそれを嫌うのか - どんな言葉で君を愛せば、)がどこかに載ったらしく,昨日と今日のグラフが少し伸びていました。嬉しい。読者登録もありがとうございます!
さてそんな前回は嫌いなものの話をしてしまったので,今日は最近好きになった女の子の話です。よろしくお願いします。
- 私と「ももすももす」の出会い
- 歌詞の温度感が懐かしい
- 懐かしさの正体
私と「ももすももす」の出会い
深夜帯の番組ってよくわからないバンドのよくわからない曲をエンディングテーマとして流しがちじゃないですか。その日わたしはブログを書くために夜ふかししていて,なんとなくつけていたのが日本テレビ系の逢喜利という番組。番組の内容は見ていなかったので覚えていないのですが,エンディングになった途端に意識を持っていかれました。流れ出した曲のメロディが好きで,でも歌声が耳障りだったからです。私は女の子が甘えるように歌う声があまり好きではありません。声が好きじゃない……でもメロディが好き。曲名が木馬。歌っている人の名前は……ももすももすさん。正直「これはだめかも。合わないタイプの女かもしれない」と思いながらとりあえずSpotifyで検索しました。現時点で聴けるのは3曲のみで,歌詞が出てきたのは「木馬」と「Confession」の2曲。SpotifyやYoutubeでは「うさぎの耳」という曲も聴くことができます。
歌詞の温度感が懐かしい
ももすももす「木馬」(mokuba) music video - YouTube
「木馬」をフルで聴いてみて改めて感じたのは,彼女の音楽は本当に私のツボを真っ直ぐ突いてきていること。苦手だと思っていたはずの声もなんだか慣れてくると可愛くて心地良い。すっかりハマりました。こんなに突然新しいものを好きになるのはちょっと久しぶりな気がしたので,何がそんなに良かったのかを考えてみました。ただ正直なところ私には音楽の専門知識はないので,音楽的な面ではメロディと雰囲気が好きだから以上のことは言えません。そんなとき,歌詞だけを眺めていて感じたのはどこか懐かしい気持ちでした。既視感というか,心の奥の方で何かが疼くような感覚。
「君が僕にくれた孤独を 愛して生きるしかないなら」
「あの時僕が泣いていたなら 君はどんな顔で喜ぶの」
「悲しいことがたくさんある君の近くで明日も苦しみたい でも生憎僕らは袖足らず 今日も水辺りを仰ぐ その飛沫で計算誤る」
「夢の夢の中に溺れた 吐息の気配を夢見てる」
♪ 木馬/ももすももす(http://j-lyric.net/artist/a05f91a/l04a937.html)
何だろう。「君」から孤独や涙の理由を押し付けられておきながら「僕」は愛や笑顔を返そうとしている不釣り合いさとか,君無しの世界で生きるくらいなら喜んで君と「苦しみたい」と言ってしまう健気な痛々しさとか,「夢の夢の中」とか「吐息の気配」とか……ちょっとシュールで悲哀を漂わせながら,でもそんな不幸さに酔っていることも同時に匂わせることで,それと対極にあるはずの春のお花畑みたいな暖かさが薄っすらと見えてきてしまうような,シンプルで複雑で,心が逆撫でされるような言葉たち。何故かすごく懐かしい。
懐かしさの正体
ももすももす「Confession」music video - YouTube
ももすももすさんが綴る歌詞は,私が中学生高校生の頃にどっぷり浸っていた「お題配布サイト」の世界観にひどく似ていたのだと思うのです。それも,特に創作小説を書く人向けの。
お題とは文章を書いたり絵を描いたりする人が,それに即したり,そこからイメージを発展させたりして作品をつくっていくために選ぶ言葉のこと。そんな創作の種となるお題の数々を与えてくれるのがお題配布サイトです。配布されたお題をつかって創作をするとき,サイトごとにルールは異なりますが,多くの場合「お題をどこから借りてきたか」を明示することになります。実はこのブログのタイトル「どんな言葉で君を愛せば」も,『たとえば僕が』というお題配布サイトからいただいたものです(サイトは既に閉鎖されています)。お題を借りて創作をするというのは,例えばこんな感じ。
***
「好きになっちゃったかもしれない」
彼女は公園のベンチに背中を預けゆったりと天を仰ぎながら、まるで何でもないことのように不意に言い放った。僕は喉まで上がってきたいくつかの台詞を飲み下しながら、彼女をちらりと盗み見る。日頃からよく笑う彼女は今も穏やかな表情を浮かべていて、狼狽しているのはどう見ても僕だけだ。ただし彼女の告白は、僕にとって青天の霹靂であったわけでもなかった。
「聞かないの?誰のことか」
黙り込んだ僕に屈託の無い笑みを向けてくる彼女は、僕にはそれを問う必要がないのだと知らない。彼女の甘い視線の先に彼がいると気づいた時から、いつかこんな日が来るとわかっていた。これは、願わくばそれが今日では無いようにと、祈ることしかできなかった臆病な僕への罰だろうか。
君に好きな人がいること
それは僕ではないこと(彼に惹かれていく君の横顔を)
(僕はずっと、一番近くで見ていたから)
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これは『確かに恋だった』というお題配布サイトから,お題「君に好きな人がいること、それは僕ではないこと」を借りてきて私が即席で描いたものです。こういう作業というか,短くて漠然とした言葉から具体的な状況や前後の文脈を想像したり,それを物語として創作したりする趣味を持ったことがある人の胸には,豪速球のドストレートを投げ込んでくるのがももすももすさんの綴る歌詞だと思います。お題の文字色やサイズを変えて書いた上で,カッコ書きで補足するこんなビジュアルを懐かしく感じる人はきっと好き。
あくまでも私の主観ですが,ほどよく曖昧で掴みどころのない,それでいて感情を揺さぶってくる歌詞は,お題サイトを彷彿とさせる世界観を湛えているように感じました。歌詞のどこを切り取っても,それぞれ異なる物語の一片になっているような言葉たち。今回はそんな歌詞だけに言及してきましたが,もちろん音楽のゆるさと声の可愛さ,歌詞の純粋さと仄暗さなど,様々な要素が相まって彼女の魅力になっているのだと思います。
ところで彼女はソロでデビューしたのは2019年2月でも,それよりも前にバンドとしてのキャリアがある方のようです。私も今の今まで彼女の前世を全く知らなかった木馬出のド新規ですが,「木馬」「Confession」「うさぎの耳」は本当に好きな曲なので,良かったらぜひ聴いてみてください〜!
今日もお付き合いいただきありがとうございます。
おやすみなさい。さやかでした。
- アーティスト: ももすももす
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